JTのエジプト水タバコ会社買収について解説

増税や健康志向の影響を受けて、日本の紙タバコ業界はどんどん萎縮しています。
その中で注目されてきたのが、水タバコであるシーシャです。
シーシャは香りが美味しいだけでなく、煙が多くてSNS映えする、ノンニコチンフレーバーも多いことから若者を中心に人気が拡大しています。
そんな中飛び込んできたのが、JT(日本たばこ産業株式会社)がエジプトの水タバコ会社買収のニュースです。
この記事ではJTが買収したエジプトの会社や買収内容について、より深く解説します。
JTがエジプトの水タバコ会社を買収

引用サイト:JT
それではJTがエジプトの水タバコ会社を買収した理由や金額など、このニュースの詳しい部分について解説します。
JTが買収したのはエジプトのナハラ社
JTが買収したのは、水タバコを中心にフレーバーなどが人気を集めているエジプトのナハラ社です。
正確には、ルクセンブルクにあるエジプト国内外事業を手掛ける2社の持株会社バタタの買収です。
ナハラ社は水タバコ事業を主に展開しています。
JTはクロスボーダーM&A(国際的な事業取引)を中心に事業を拡大していますが、エジプトの会社、水タバコ事業の両方で初めての経験となります。
ナハラ社とは?

引用サイト:シーシャ卸.COM
ナハラ社は1913年創業のエジプトのタバコメーカーです。
オーダーメイドや自作ではなく、既製品の水タバコを世界で初めて世に送り出しました。
1988年にはフレーバー付きのタバコを販売開始したことでも有名です。
この当時はブラックタバコ葉にアプリコットジャムを混ぜたものですが、進化を遂げ種類も続々と増えている最中です。
現在では世界でも有数の伝統的なシーシャフレーバーメーカーとして、日本国内でも人気を博しています。
当時ナハラ社は85カ国で水タバコを販売していた
ナハラ社は買収された当時、世界85カ国で水タバコを販売していました。
買収する前年の売上は約88億円で、自国のみならず中東や北アフリカを中心に販売しています。
エジプトで吸われているタバコの3割は水タバコであるうえ、今のままでも十分な需要があります。
またエジプトでは紙タバコの需要も増えつつあり、そこに成長が見込めると判断して買収に踏み切ったようです。
ナハラ社の買収金額は?

引用サイト:シーシャ卸.COM
ナハラ社を買収した金額は公表されていませんが、推定では200億円前後と見られています。
JTはこの資金を手元資金と借り入れで賄いますが、業績に与える影響はそこまで大きくないとのことです。
具体的な利益目標や効果の数値は非公表ですが、2018年にエジプトでは紙タバコの新商品が発表されています。
買収をきっかけに、あらたな市場を展開しているのは間違いないようです。
JTは何のためにナハラ社を買収した?

引用サイト:JT
JTのナハラ社買収の理由は、基本的には海外で紙タバコ事業を拡大させるためです。
JTは海外のタバコ会社に対して積極的にM&Aを行っており、それによって海外展開を進めつつ販売基盤を獲得する戦略をとっています。
実際にエジプトでは紙タバコの需要は増えているうえ、北アフリカの成長度の伸びしろは世界を見据えたJTにとっては見逃せません。
水タバコ会社をM&Aしたことにより、日本国内のシーシャ需要に対するノウハウ獲得の可能性もあります。
しかしそれよりは紙タバコ事業のさらなる海外展開を見据えた買収である可能性が高く、日本のシーシャ界隈への影響はあまり大きくないかもしれません。
JTがシーシャフレーバーを手掛ける日が来る!?

引用サイト:ナハラジャパン
海外展開を見据えているJTが水タバコ事業であるナハラ社を買収したのは、シーシャ好きにとっては気になるトピックです。
今後どうなるかは不明ですが、JTがナハラ社を買収したとしても日本のシーシャが影響を受けることはあまりないと予想されます。
しかしJTは2013年にプルームテック(電子タバコ)を新しく展開したこともあり、水面下でシーシャ器具やフレーバー、VAPEなどの製品開発を進めているかも知れません。
JTの今後の動向に期待しましょう。