未成年がシーシャを吸うことへの影響や法律上の問題などについて解説

フッと一息でたっぷりとした煙が吐けるシーシャは若者の間で話題を集め、カフェなどの店舗も急増しています。
一般的な紙巻きタバコを喫煙する場合は20歳以上の年齢制限がありますが、シーシャの場合はどうでしょうか。
この記事では未成年がシーシャを吸う影響や、法律上での扱いや問題点について解説します。
未成年がシーシャを吸うとどうなるの?

まずは法律上における未成年のシーシャ喫煙についての状況を解説します。
シーシャはタバコと同じ扱い
シーシャは、紙巻きタバコとは仕組みもフレーバーの種類もかなり違いがあります。
しかし、日本の法律上はタバコと同じ扱い。
そのためタバコと同じく20歳以上の年齢でないと、嗜むことができません。
水タバコであるシーシャは紙巻きタバコよりも健康面への悪影響が少ないといわれていますが、有害物質はゼロではありません。
海外でも18歳以上や19歳以上など、年齢制限を設けている国は多いです。
シーシャカフェでは必ず年齢確認が行われる
では未成年がシーシャを吸ったらどうなるのでしょうか。
実際未成年がシーシャを吸って違法になることはあっても、法律上罰則はありません。
しかし、そのシーシャを提供した店員に責任が問われます。
シーシャを吸った未成年本人には罰則はなくても、周囲の大人が迷惑を被る形になるため、シーシャカフェなどのお店では必ず年齢確認があります。
シーシャカフェやバーにかぎらず、シーシャ関連のグッズや器具を扱っているお店でもこれは同様です。
成人済みであっても身分証明書がない場合は入店できませんので、免許証や保険証、マイナンバーカードなどを用意しておきましょう。
ニコチンが少ない=健康に影響が出ないとは限らない
タバコ類の中でも最も知られている有害物質はニコチンです。
ニコチンの有害性は体のみならず、依存性など精神面にも影響を及ぼします。
ニコチンは水に溶けやすい性質があるので、水をフィルターにするシーシャはニコチンの含有量が紙巻きタバコよりも少なくなります。
しかしシーシャに含まれる有害物質はニコチンだけではありません。
紙巻きタバコとは吸い方や吸う時間が全然違うので、一概にシーシャの方が影響が少ないともいえません。
ニコチン・タールなどの影響や未成年の喫煙禁止の合理性について

ここではニコチンやタールといったシーシャに含まれる有害物質について解説します。
未成年の喫煙禁止は、この有害物質による害や危険性による部分が大きいです。
シーシャやタバコを喫煙することによる危険性を頭に入れておきましょう。
ニコチンの健康への影響
シーシャや紙巻きタバコの害で最も有名かつ被害が大きいのがニコチンです。
ニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させます。
すると血流が悪くなり、急激にニコチン濃度が高くなることで心臓に大きな負担を掛けます。
血流を悪くさせるニコチンは、血栓ができやすくさせ、脳卒中や脳出血など数々の病気の原因となる成分です。
また健康への悪影響だけでなく、タバコへの依存性も懸念されています。
このニコチンの依存性は麻薬にも匹敵すると言われ、吸えば吸うほどニコチンが欲しくなり、自分の意志では抑えが効かなくなります。
タールの健康への影響
タールは一酸化炭素などの気体状のガス成分を除いた、煙の粒子の総称です。
このタールにはなんと約5300もの有害物質が含まれており、中には発がん性が疑われるものもあります。
この発がん性物質はがんにかかったことのない人への影響だけでなく、すでにガンになっている人の病状を悪化させます。
またタールは健康面だけでなく、歯につくとヤニ汚れとして付着するのもデメリット。
タールのヤニ汚れは普段の歯磨きでは取れにくく、見た目も良くないので美容に気を遣う人は特に避けたいものです。
審美面ではもちろん、歯周病へのリスクも高めると言われているので、歯にとっては大きな悪影響があります。
一酸化炭素の健康への影響
一酸化炭素は有機物が不完全燃焼するときに発生するもので、タバコはもちろんシーシャも気をつける必要があります。
一酸化炭素は水に溶けにくく、水をフィルターにしても濃度はほとんど薄まりません。
また一酸化炭素はタールやニコチンのように独特の匂いはなく、無味無臭です。
毒性が強く、ヘモグロビンと強く結びついて酸素の運搬を邪魔するので、体が酸素不足に陥りやすくなります。
シーシャやタバコを吸っていて頭がクラクラするのは一酸化炭素のこの作用が原因。
脳が酸素不足になったことで、めまいや立ちくらみ、頭痛が起きやすくなります。
頭痛やめまいで済むなら新鮮な空気を吸えば大丈夫ですが、重篤な一酸化炭素中毒に陥れば死に至ることもあります。
なぜ未成年は喫煙禁止なのか?
未成年は体も心も未発達であるため、タバコやシーシャの悪影響を大人よりも受けやすくなります。
そのため、「未成年者喫煙禁止法」が明治33年から制定されているのです。
とくにニコチン中毒による依存性は若い頃から喫煙している人に多く見られ、喫煙者の4割ほどは未成年の頃から吸っているとの研究結果があります。
また呼吸器系の疾患やがんは、若い頃から喫煙習慣がある人ほど発症確率が高いです。
体の成長や思考能力低下への影響も判明しており、未成年で喫煙するのは大人以上に悪影響を受けます。
未成年のうちに喫煙したがゆえに、大人になってからやめるにやめられない人はたくさんいます。
そうならないためにも、未成年のうちは喫煙を禁止しているのです。
ノンニコチンのポケットシーシャであれば未成年でも吸える?

ポケットシーシャとは「VAPE(ベイプ)」とも呼ばれ、一見紙巻きタバコのように吸えるシーシャのこと。
持ち運びがしやすく、火を使わないので危険性も低いです。
またノンニコチンフレーバーが多く、タバコのようにイヤな匂いが発生しにくいのも魅力です。
ノンニコチン、ノンタールで吐く煙が水蒸気のポケットシーシャであれば、未成年でも喫煙可能でしょうか。
最後にノンニコチンのポケットシーシャについて、未成年が喫煙できるのか解説します。
ポケットシーシャの未成年への販売は自粛されている
日本における満20歳以下の喫煙を禁止する法律では、ニコチンやタールを含んだタバコ製品の喫煙を禁止しています。
そのためニコチンやタールを含まないポケットシーシャであれば、法律的には未成年が喫煙しても問題ありません。
法律的にはOKとは言え、販売店が購入させてくれるかどうかは別問題。
ノンニコチンのポケットシーシャをきっかけに喫煙に至ることもあるため、ほとんどのお店では未成年は購入不可です。
基本的には販売店側が自粛している傾向であるため、未成年がポケットシーシャを購入することは推奨されていません。
理由①:ノンニコチン・ノンタールでも健康に影響がないと言い切れない
未成年がノンニコチン、ノンタールのポケットシーシャを購入することは法律的には大丈夫でも、販売店側が自粛しているのには理由があります。
まずニコチンやタール以外にも有害物質は含まれている可能性があり、健康面にも精神面にも全く影響がないとは言い切れません。
シーシャの健康被害は未だに解明されていないことも多く、単純に紙巻きタバコとの比較では一概に安全とはいえないのが実情です。
理由②:ポケットシーシャの利用が喫煙につながる可能性
ポケットシーシャの美味しい煙に慣れると、どうしても他のフレーバーだけでなくタバコへの興味を持ってしまうもの。
そのため、ポケットシーシャを利用するだけのつもりが、喫煙につながってしまう可能性もあります。
ノンニコチン、ノンタールのポケットシーシャがあるとは言え、ニコチンやタールを含有するシーシャやタバコに手を出す方が圧倒的に選択肢が増えます。
20歳以下はタバコの喫煙を禁止にしているのなら、ノンニコチン、ノンタールであってもシーシャを喫煙させないほうが賢明なのです。
理由③:客観的にタバコを吸っているように見える
いくらノンニコチン、ノンタールのポケットシーシャであっても、吸っている姿はタバコとほぼ同じです。
そのため、第三者から見たら、そのポケットシーシャにニコチンやタールが入っているかどうかは判別しようがありません。
そうなると家族や友達、周囲の人々に誤解を与えてしまうと同時に、補導などの対象になる可能性もあります。
もちろん補導されたとしてもすぐ放免になる可能性はありますが、シーシャはリラックスするために吸う嗜好品なので人に迷惑をかけてしまっては本末転倒です。
シーシャは法律的に未成年NG!20歳になってから楽しもう

シーシャやポケットシーシャの喫煙は法律的にNG、ノンニコチンノンタールであっても避けたほうが良いです。
シーシャやタバコの害は、自分自身の健康面や精神面だけでなく、周りにいる家族や友達など第三者にも迷惑をかけてしまいます。
シーシャは、心と体が十分発育してから楽しむのでも遅くありません。
20歳になってから、シーシャの危険性や有害性をよく理解した上で楽しみましょう。