ベイプなどの水蒸気タバコ(電子タバコ)で本当に肺に水がたまるのか調査しました

今回は、ベイプを吸っていると肺に水がたまるのかやベイプの有害性について徹底調査しました。
ヤフー知恵袋などのSNSには、「ベイプを吸うと肺に水がたまる」など不安を煽るような噂が広がっています。
そこで、ベイプに関する真の情報を確かめ、嘘の情報を鵜呑みにしないようにしましょう。
ベイプを吸うと肺に水がたまるって本当?

ヤフー知恵袋などのSNS上では、「ベイプを吸うと肺に水がたまる」と不安がっている方が多くいます。
これは、真実を知らない方たちによって「ベイプを吸うと肺に水がたまる」という噂が、SNSなどを通して拡散してしまっているからです。
今回は、「ベイプを吸うと肺に水がたまる」の真実を暴いていきます。
ベイプだけで肺に水がたまることはない
ベイプを吸っても、肺に水がたまることはありません。
SNS上でベイプの不安を煽るような記事を見つけても、極端に恐れなくても大丈夫です。
しかし、なぜ、事実とは異なる噂が広がってしまったのでしょうか。
なぜベイプ(電子タバコ)を吸うと肺に水がたまるという噂があるのか?
「ベイプを吸うと肺に水がたまる」という噂が広まってしまった理由は、ベイプの性質にあります。
ベイプは、大量の水蒸気を吸い込んでいるため、肺に水蒸気が取り込まれ、それが水となり、肺にたまるのではないかという不安が広がりました。
しかし、ベイプのように水蒸気(気体)の状態で吸いこむタバコは、毛細血管に吸収されたり、呼気によって排出されたりするため、肺に水がたまることはありません。
水蒸気として吸い込まれるものは、水ではなく気化したグリセリンとプロピレングリコールです。
どちらも食品などに使われている安全なもののため、安心してください。
肺に水がたまる症状と原因を確認してみよう
では、実際に肺に水がたまるとは、どういうことなのかを説明します。
肺に水がたまるときは、気管支に液体が入ったときです。
気管支に水が入ると、苦しくなってむせることが多く、すぐに理解できます。
実際に、肺に水がたまる症状は、胸水貯留や肺水腫などが挙げられます。
もともと、人間の体の中にある胸膜腔には、健康人でもわずかな胸水が存在しています。
しかし、何らかの異状で、胸膜腔にある水の吸収が減少したり、産生が増加したりした場合に胸水貯留の状態になってしまいます。
また、肺水腫は、心不全や肺炎、敗血症などがきっかけとなり、起こる状態です。
このような状態になると、呼吸が苦しくなり、呼吸困難に陥り、最悪の場合、死に至ります。
肺水腫はベイプによって引き起こされ得るのか?
肺水腫は、ベイプが原因で引き起こる病気ではありません。
人間の肺には、肺胞と呼ばれる、酸素と二酸化炭素を交換するために、フィルターの役割をする小さな袋状のものがあります。
この肺胞の周りには多くの網目状の毛細血管が取り巻いていて、空気と血液との間で酸素と二酸化炭素が効率よく交換されるような仕組みになっています。
しかし、肺水腫の状態になっていると、肺胞の周りにある毛細血管から血液の液体成分が肺胞内へ滲み出した状態になっています。
そのため、肺胞の中に液体成分がたまり、肺で酸素を取り込む効率が低下し、重症化すると呼吸不全に陥る可能性が高いのです。
ベイプの水蒸気によって、肺水腫の状態になることは一般的に考えづらいため、安心しましょう。
肺に水がたまるのは別の要因だと考えるのが妥当
このように、肺に水がたまるのは、ベイプ以外の理由が大きく関係しています。
ベイプが主たる要因になる可能性がゼロとは言い切れませんが、現状では非常に低い、稀だと考えるのが妥当ですね。
ベイプに有害性はない?加熱式タバコ・紙巻きタバコと比較

ここからは、ベイプの有害性についてご紹介します。
ベイプの有害性を加熱式タバコや紙巻きタバコと比較しました。
ベイプと加熱式タバコは何が違うの?
ベイプは、専用のリキッドを専用の器具で加熱し、その蒸気を吸い込んで楽しむタバコです。
一方、加熱式タバコは、タバコの葉を専用機器を使って加熱し、その蒸気を吸って楽しみます。
ベイプと加熱式タバコの違いは、リキッドを加熱するか、タバコの葉を加熱するかの違いです。
似ている種類のため、双方合わせて「新型タバコ」「電子タバコ」と表現されることもあります。
比較①:ニコチンやタールなどの有害性
ベイプは、リキッドを熱しているため、ニコチン・タール・一酸化炭素の有害性はありません。
一方、加熱式タバコは、タバコの葉を使用しているため、ニコチンやタール、一酸化炭素の有害性があります。
加熱式タバコと紙巻きタバコとの比較は難しいですが、加熱式タバコは、紙巻きタバコよりは、比較的健康被害が少ないと宣伝されていることが多いです。
比較②:肺などへの有害性
どのタバコも呼吸器への悪影響が懸念されます。
健康被害が少ないとされている電子タバコでも、びまん性肺胞障害・急性好酸球性肺炎・過敏性肺臓炎・巨細胞性間質性肺炎・リポイド肺炎などなどの肺の病気が報告されていて、死亡する事例もあります。
特に、急性好酸球性肺炎は、若い男性に多い病気とされています。
電子タバコなどによる喫煙や薬剤、微生物などが原因で発熱や咳、胸痛など引き起こされます。
ひどいときは、急速に呼吸困難に陥り、重症化することもあると報告されているほどです。
どのタバコも健康被害が報告されているため、適度に自制しながら楽しみたいですね。
比較③:周囲への悪影響
加熱式タバコの副流煙には、発がん性物質のアセトアルデヒドや呼吸器疾患を引き起こすジアセチルに加えて、グリシドールやベンゼンなど33種類の有害物質が含まれています。
これは、紙巻きタバコの副流煙に比べれば有害物質の含有量は少ないですが、多くの有害物質を含んでいるため、周囲への悪影響はありますね。
ベイプは、まだハッキリとはわかりませんが、小さな子どもや妊婦さんなどの周りでは控えた方が良いでしょう。
また、どのタバコも誤飲の危険性があるため、取り扱いには気を付けたいものです。
比較④:その他の危険性
まず、紙巻きタバコは火災の危険性があります。
特に、乾燥している季節は、火の後始末に気を付けたいですね。
また、加熱式タバコやベイプでは、誤った使用や改造などによって、バッテリーの爆発事故が発生する可能性があります。
説明書を良く読んで、正しい方法で使用しましょう。
さらに、ベイプでは、大麻などの麻薬成分を混ぜて吸うことも可能なため、責任ある行動をしたいものです。
新型タバコの有害性はまだハッキリわかっていない
ベイプなどの新型タバコは、有害性がなく安心できると吸っている方も多いでしょう。
しかし、新型タバコの有害性については、まだはっきりと解明されていない点が多々あります。
そのため、ご紹介した有害性についても確実とは言い切れない点に注意が必要です。
また、日本産業看護学会誌では以下のような論文が発表されています。
近年新型たばこの含有成分や健康被害に関しての研究が進められているが,現時点の研究段階では新型たばこと健康被害の関連性は推測に過ぎず,明確な科学的証拠を得るにはかなりの時間を要すると言われている
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaohn/8/1/8_18/_pdf
このように、まだまだわからない点も多く、本当に安心と言い切れないのが現状です。
節度を持ってベイプを楽しもう!

有害物質が発生せず、安心して吸えるベイプですが、節度を持って吸うことがおすすめです。
「ベイプを吸うと肺に水がたまる」というものは真実ではありませんが、実際にどんな健康被害があるのかは未知な部分も多くあります。
気分転換やストレス解消に吸うなど使い方は様々ですが、適度な回数を守って楽しみましょう。