シーシャ(水タバコ)の有害性や体への影響をわかりやすく解説

日本では長らく紙タバコが主流でしたが、近年、健康への影響を鑑み電子タバコや加熱式タバコへ移行される方も増えています。
中でも従来のタバコの吸い方とは違うシーシャ(水タバコ)の人気が高まり、シーシャ(水タバコ)に興味を持つ方もいますが、シーシャ(水タバコ)はインパクトのある見た目から、危険性はないのか体に悪い影響はないのか心配になる方もいるでしょう。
シーシャ(水タバコ)は中近東でよく吸われているタバコです。
不思議な形をしていて長いパイプで吸っているシーシャ(水タバコ)は、従来のタバコより煙の多さも特徴です。
エキゾチックな雰囲気から違法なものではと感じるかもしれませんが、シーシャ(水タバコ)は合法なので安心してください。
リラックスして楽しめるシーシャ(水タバコ)ですが、体に悪い影響はないのかその危険性についても詳しく解説します。
シーシャ(水タバコ)は体に有害?
紙タバコに関しての有害性は広く知られていますが、同じように「タバコ」とついているシーシャ(水タバコ)に危険性や体に悪い影響はないのでしょうか。
シーシャの有害性については明確な結論が出ていない
シーシャ(水タバコ)の危険性や有害性、体に悪い影響については諸説あり明確な結論は出ていない状態です。
シーシャ(水タバコ)と紙巻タバコの違いは、紙巻タバコを1本吸うのに5~10分程度かかりますが、シーシャ(水タバコ)は1~2時間程度かかります。
それも複数人で吸うことが多いのも特徴です。
そもそも吸い方や量が違うので、シーシャ(水タバコ)の危険性や体への影響は紙巻タバコと一概に比べることが難しいのが現状です。
水で煙をろ過しても有害成分は取り除き切れない
シーシャ(水タバコ)は紙巻タバコに比べると危険性や体への影響が少ないとされることもあります。
これはシーシャ(水タバコ)の吸い方に特徴があり、シーシャ(水タバコ)はフレーバーを熱してその蒸気を水で濾過して吸うためです。
タバコの有害物質は水で溶けるとも言われていますが、それがすべて取り除けるのかは疑問です。
ただし、有害物質については紙巻タバコに200種類も含まれているのに対し、シーシャ(水タバコ)では4種類といわれています。
水で濾過しても有害物質はすべてなくなるわけではありませんが、紙巻タバコに比べると元々の有害物質は少ないです。
吸いすぎは間違いなく体に悪い
紙巻タバコに比べると有害物質の種類が少ないシーシャ(水タバコ)ですが、ゼロではありません。
その有害物質が水で濾過することでどのくらい少なくなるのかもまだハッキリとわかっていません。
有害物質を100%取り除けるわけではないので、吸い過ぎると体に影響があるでしょう。
ピッツバーグ大学では、紙巻タバコ20本とシーシャ(水タバコ)を2~3回吸うのを前提に研究を行いました。
それによると、ニコチン・ベンゼン・一酸化炭素はシーシャ(水タバコ)のほうがマシで、タールはシーシャ(水タバコ)のほうが多いという結果がでています。
シーシャ(水タバコ)に含まれている代表的な3つの有害物質
紙巻タバコには200種類以上の有害物質が含まれていて、中でも60~70種類が発がん性物質だといわれています。
体への危険性や体に悪い影響を与えるのが、ニコチンやタール、そして一酸化炭素です。
シーシャ(水タバコ)のフレーバーはタバコ葉を使用しているため、やはり有害物質が含まれています。
3つの有害物質についてどんな特徴があるのかを解説します。
①ニコチン
ニコチンは毒物です。
タバコ葉に含まれていますのでタバコを吸うことで体内に入り血液とともに全身へとまわります。
ニコチンには発がん性はないのですが、ニトロソアミン類を生み出します。
ニトロソアミン類には発がん性など体に悪い影響があるため注意が必要です。
また、ニコチンは神経伝達物質を分泌させます。
そのため、脳卒中や動脈硬化、虚血性心疾患といった循環器系の疾患を発症させる危険性もあります。
②タール
タバコを吸うと歯や部屋の壁紙などが茶色になるのをご存じでしょう。
「ヤニ」と呼ばれていますが、タールとはタバコの煙からガスや一酸化炭素を除いた粒子状の成分のことです。
タール内にはニコチンや他の有害物質、発がん性物質といった危険性が高く体に悪い影響を与える物質が含まれています。
タールに含まれている有害物質の中でもフェノールは、消毒殺虫剤の成分でもあり、体内では繊毛細胞を傷つけます。
気管支の繊毛細胞を傷つけることで有害物質や発がん性物質が肺に入り込み、肺がんを誘発させる危険性が高いです。
紙巻タバコにはタールの値が表示されていますが、人により吸い方も違うため低タールだからといって体に悪い影響がないわけではありません。
参考サイト:e-ヘルスネット 喫煙とがん
③一酸化炭素
一酸化炭素は炭素が燃えるときに酸素が不十分だと不完全燃焼を起こし発生する、無色・無臭の気体です。
酸素は血液内のヘモグロビンと結びついて全身に運ばれますが、一酸化炭素は酸素より200倍以上ヘモグロビンと結びつきやすいため、一酸化炭素が発生すると酸素不足に陥ります。
タバコの煙には一酸化炭素が含まれています。
一酸化炭素が結びついたヘモグロビンは、体内で半減するまで3~4時間かかるため、しょっちゅうタバコを吸っている方は慢性的な酸素欠乏症になっているでしょう。
酸素欠乏症は赤血球が増え多血症となり脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化を促進する可能性が高くなります。
参考サイト:e-ヘルスネット 一酸化炭素
シーシャの吸いすぎによる体への悪影響
シーシャ(水タバコ)には有害物性が含まれていて体に悪い影響を与えます。
シーシャ(水タバコ)を吸い過ぎるとどういった症状が出やすいのか、また、症状が出た場合の対処法を解説しますので参考にしてください。
頭痛
シーシャ(水タバコ)を吸っていると「頭痛」が起きる場合があります。
頭痛が起きるのは酸欠となっていることが多く、シーシャ(水タバコ)の吸い方に問題があるかもしれません。
シーシャ(水タバコ)は「タバコ」ですが、その吸い方は紙巻タバコとは違います。
ずっと吸い続けるのではなく休息を挟んでゆっくりと吸いましょう。
自宅でシーシャ(水タバコ)を楽しんでいる方も注意が必要です。
シーシャ(水タバコ)は炭を使用しますので、十分に加熱しないと一酸化炭素が発生します。
自宅で吸う場合は炭をしっかり加熱し換気を怠らないようにしてください。
めまいや吐き気(ヤニクラ)
シーシャ(水タバコ)にはタールが含まれています。
タールのことを「ヤニ」といいますが、めまいや吐き気を起こす「ヤニクラ」の「ヤニ」はタバコの総称で、タールがヤニクラを起こすのではありません。
シーシャ(水タバコ)を吸っていめまいや吐き気が起こるのは、ニコチンのせいです。
ニコチンは血管を収縮させるため急激に血圧が上昇し吐き気やめまいがおこります。
また、体内に一酸化炭素が増えるとやはり気分が悪くなるでしょう。
依存性
シーシャ(水タバコ)を吸うことで依存症になる場合があります。
ニコチンは体内に入ると、脳内にある一部の受容体と結合し快楽物質のドーパミンが大量に放出され快感を感じます。
ニコチンはまたその他の神経伝達物質を分泌しますが、ニコチンを常時摂取しているとそれらの神経伝達物質を自分で分泌せずニコチンに頼ることになってしまいます。
禁煙すると神経伝達物質の分泌が減り、イライラしたり不快になったりするためタバコを止めることができません。
それが「ニコチン依存症」です。
依存症になるとやめることが難しいので注意が必要です。
シーシャ(水タバコ)の吸い過ぎは体に悪い!注意しつつ適度に楽しもう

シーシャ(水タバコ)とは日本に入ってきた新しいタバコです。
「タバコ」なので危険性や体に悪い影響を与える物質も入っています。
紙巻タバコと比べるとどのくらい体に悪い影響があるのかはまだはっきりとしていませんが、吸い過ぎると体に悪いでしょう。
依存症にならないよう注意しつつ適度に楽しむのがおすすめです。